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作業療法士とは

作業療法士は、患者さんが持っている「自分らしさ」とは何かを想像し、「自分らしい」人生を送れるよう支援する仕事です。「自分らしさ」は個人によって異なりますので、作業療法士が行う支援も患者さんの数だけ存在します。ですから「作業療法とは?」と聞かれたとき、明確な答えや正解を出すことは難しいのです。

このページでは、5人の作業療法士が自分なりの職業観、仕事の醍醐味、奮闘記をつづっています。これは作業療法のほんの一部分に過ぎません。しかし少しでも作業療法について興味を持っていただく機会になればと思っています。

想像と創造

宮崎県作業療法士会

発達障害の作業療法
馬場直子さん

■私の作業療法

宮崎県作業療法士会

私は、知的障害や身体障害を持った患者さんの作業療法を行っています。患者さんといっても、まだミルクを飲んでいる赤ちゃんや小学校に入学する前のお子さんなどです。

「子どもに訓練ってできるの? どんなことをするの?」と疑問をもたれることと思います。訓練では、ハイハイやボタンはめ、文字を書く練習など、身体や心の成長に合わせて必要になってくることを行います。

患者さんは、「こんなことがしたいな」と自分の気持ちを伝えることが苦手です。また、したいことをしようと思っても、体が上手く動いてくれないことも多いのです。

作業療法士は患者さんの「嬉しいことって何だろう?」「気持ちいいことって何だろう?」と想像することから始めます。そして「どうすれば楽に、自分らしく動けるのか」を考え、その達成に向けて動き出すのです。

時には訓練道具や生活を支援するためのオリジナルの道具を作成することもあります。作業療法士には、患者さんの生活を支援する道具や環境を創造する力が必要なのです。もちろん対象はお子さんですので、遊びの要素を取り入れることも重要です。

できるだけ楽しみながら、そして達成したときの喜びをいっぱい感じてもらいながら、体の機能を維持向上していくことが作業療法に求められます。

何といっても患者さんの笑顔が一番です。

訓練は、患者さんにとって大切なものですが、同時に大変な事でもあります。でも、時間をかけ、少しずつ積みあげたものが、成功した時の「やったぁ!」という気持ちは、側にいるからこそ、感じることができるすばらしい時間です。

お子さんにとっての一番の支援者であるご家族(特にお母様)は、多くの悩みを抱えています。

私は、作業療法士になって3年目でまだまだ未熟ですが、お子さんのお母様にとっては“リハビリの先生”なのです。患者さんやご家族と、真摯に向き合えば向き合うほど「自分に何ができるのか?」と自問する事もあります。

その分、自分を磨こうという気持ちは常に持ち続けなければなりません。

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