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作業療法士とは

作業療法士は、患者さんが持っている「自分らしさ」とは何かを想像し、「自分らしい」人生を送れるよう支援する仕事です。「自分らしさ」は個人によって異なりますので、作業療法士が行う支援も患者さんの数だけ存在します。ですから「作業療法とは?」と聞かれたとき、明確な答えや正解を出すことは難しいのです。

このページでは、5人の作業療法士が自分なりの職業観、仕事の醍醐味、奮闘記をつづっています。これは作業療法のほんの一部分に過ぎません。しかし少しでも作業療法について興味を持っていただく機会になればと思っています。

「作業」は患者さんとの架け橋

宮崎県作業療法士会

精神障害の作業療法
上畠 秀一さん

■私の作業療法

宮崎県作業療法士会

皆さんは、精神に障害を持った患者さんにどんなイメージを持っていますか?

怖い人、とんでもないことをする人、といったところでしょうか?でも患者さんの多くは繊細な心を持ち、自信・生きがい・楽しみが持てない、自分の気持ちをうまく表現できない、自分の存在意義を感じることができないといった悩みを持つ方々なのです。

精神障害をきっかけに、生活のリズムが崩れ、意欲や体力が低下するといった悪循環がうまれ、徐々に本来の「自分らしい」生活からかけ離れていってしまうという特徴があります。

精神科の作業療法では、患者さんと共に、創作活動をはじめ、卓上ゲーム、カラオケ、スポーツ、料理、音楽鑑賞や読書、レクリエーションなど様々な事を行います。それって遊び!? いえいえ作業療法はとっても深いのです。

作業療法士は、まず患者さんの心の状態に合った作業(体験)とは何かを考えます。患者さんに必要な体験は様々です。それは癒しや楽しみなのかもしれないし、自信や生きがいの再発見という体験かもしれません。つまり「作業」を通して、患者さん自身が「自分らしい」、より快適な生活(体験)を見つけ出せるように援助する技術、それが作業療法なのです。

やはり1番の醍醐味は、作業療法士と患者さんが「作業」という架け橋でつながっているということです。

患者さんと共に作業を行い、「作品ができあがった!」、「今までできなかった事ができた!」など、患者さんの喜びの声や表情を見ると「やはり作業療法は素晴らしい! 最高!」と感じます。

精神に障害を持つ患者さんは、気持ちを言葉で表現することが苦手です。

したがって、患者さんの気持ちを理解するのにも時間がかかります。また誰しも大事な話は信頼できる人にしか話さないものです。

患者さんと作業療法士、お互いの信頼関係は必要不可欠です。また、患者さんと“共に歩む”道のりは、平坦なものばかりではありません。

「この援助が本当に1番正しかったのか?」と、日々苦悩し、その内容に満足しきれないもどかしさもあります。くじけそうになることもありますが、同じ作業療法士同士で語り合ったりして、日々の仕事に取り組んでいます。

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