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私の生きがい Quality of life
作業療法士は、みんなのQOLを知りたい!
QOL(Quality Of Life)は人生の質、生活の質、生命の質と訳されます。生活、人生、生命をいきいき輝かせるためには、‘自分らしく生きる’ことが必要です。
しかし不運な事故や病気によって‘自分らしさ’を発揮できない方もいます。我々作業療法士は、そのような方々へ‘自分らしさ’をもう一度感じていただくための支援を行います。ですから作業療法士は、十人十色の‘自分らしさ’を発見、尊重することが大切なのです。
このページでは、エネルギッシュにQOLを輝かせている方を紹介しています。
あなたのQOLってなんですか?
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「幸せは今ここにある」夢の牧場経営!
今回の主人公は宮田めぐみさんです。一度は夢をあきらめ就職したものの、一念発起して牧場を開かれたパワフルな女性です。
「大人になってあきらめた夢ありません? 今夢はお持ちですか?」 大人になりすぎてしまった方は、宮田さんの生き様にインスパイアされる事と思います。
私は、清武町で“カウボーイアップランチ”という乗馬クラブを主人と二人で経営しています。今に至るまでには沢山の偶然があり(いや、必然でしょうか)、沢山の出逢いがありました。
幼い頃から動物好きで「ムツゴロウ王国で働く」と言い続けてきましたが、高校卒業を控えてどうしていいかも分からず、一時夢は諦め、建材卸業の事務に就職。それでも良い人達に恵まれ、社会勉強しながら充実した日々を過ごしていました。
ある日、友人との‘貧乏旅’で観光牧場を見つけ、憧れの馬を見ているとオーナーから「乗っていいよ」との声。お金がないからと断っても乗せてくださると言いました。ススキ野原をポコポコと馬の背に揺られると、青い空と爽やかな風がたまらなく心地良く、『私の仕事、これやん!』と迷いなく頭に閃いたのです。
馬から下り、オーナーにお礼と共に「ここで働かせて下さい!」と即お願いしました。すると、「いいよ。君は来ると思ってたよ」との答えが。
これがインスピレーションとでもいうのでしょうか。忘れもしない、わずか15分程度の【アドベンチャーコース】でしたが、私にとっては人生のアドベンチャーになりました。
それから、本当に憧れていた牧場生活が始まりました。それはもちろんキツイ仕事でもありましたが、何より自分の選んだ道でしたし、俗世間とかけ離れたような日々は素晴らしいものでした。ここでの馬や犬や仲間たちとの生活は今でもかけがえのない私の宝物です。
2年間の牧場生活の後、家の事情で宮崎に戻りましたが、やはり馬の仕事がしたくて、とある乗馬クラブで週末バイトとして働かせてもらうことになりました。そこで出会ったのが、アメリカ帰りでトレーナー兼インストラクターをしていた今の主人です。彼と、彼のトレーニングした馬との出会いは衝撃的なものでした。
私が観光乗馬で教わった乗馬は、‘歩く時は蹴って。走る時はもっと蹴って!止まる時は思い切り手綱を引いて!馬は鈍感な動物だから。’それを信じ込んでいた私は、彼に「乗ってみて」と言われ跨ると、自信満々にドン!と馬をキックしました(そこでゆっくり歩き出す筈でした)。ところが馬はビュンと走り出し、さらに思わず「おぉ〜」と声を上げると今度はビタッと止まるではありませんか。
もう訳が分からず頭が真っ白になっている私に、彼が言った言葉は
「馬はハエ一匹止まっても尻尾で追い払うでしょう。それくらい敏感な動物なんだよ。それに記憶力が良くて声の合図だけで十分理解できるんだ。」
確かに彼が乗ると舌打ちの合図だけで軽く走り「ウォー」という低い声でピタッと止まる。何一つ力で動かしていない。
「その方が力のない年配の方や子供たちが乗った時、馬も人もハッピーでしょう?」と。その上、引き綱等一切着けず、馬が彼の横に寄り添って歩き、走り、止まり、全て彼の動きに合わせてる。
『これが本当の信頼関係だ!』
そう思った時、私は涙が止まりませんでした。そして今まで関わってきた馬達に本当に申し訳なく思いました。(ただ、後から聞くと観光牧場ではそれなりの調教法があるとのことでした)
それからは、彼の調教技術を学びとろうと必死でした。すると彼は「調教技術は自分についてくれば必ず身に付く。それよりも大切なことは、お客様の心をケアできる人になりなさい。それが本物のトレーナーだよ」と。そう、私は自分の事ばかりで周りに対して気配りが足りませんでした。元看護師でもある主人は、人に対してもとても思いやりがあり、私が大切なものを見落としそうな時、いつもアドバイスをくれます。
それから二人で牧場を作ろうと決めたのが今から9年前。両親の辞めたみかん畑を開拓するところから始めました。楽観主義の私と、慎重派の彼。「大丈夫やろか...」「大丈夫!絶対うまくいく!」当初、2頭の馬から始まったクラブは今や21頭という大所帯になりました。
しかし、決して平坦ではない道のりでした。手造りで建てた馬小屋が違法建築と云われ、2度も取り壊しを命じられたり、素晴らしい若馬が目の前で事故死したり。今までの人生の中でこんなに辛いことはありませんでしたが、その馬の子供を身ごもっている牝馬がおり、その子はまさに亡き父の生まれ変わりといわれる位の素晴らしい馬に成長してくれました。そしてその馬もまた、子孫を残してくれています。
今、乗馬クラブには沢山の方が来られます。私達が苦しい時支えて下さった方々、また心身ともに疲れた方達もみんな馬と触れ合い、のんびりした空気に癒されて元気を充電して帰っていかれます。最高齢は75歳まで!皆さんの笑顔を見ていると、私たちも元気をもらいます。馬や犬たちを含め、みんなが幸せでいてくれたら、それだけで私も幸せになります。
私の好きな言葉『ないものを数えるな、あるものを喜べ。幸せは今ここにある』
人はよく“ないものねだり”をしますが、平凡でも今の毎日があるだけで幸せだと、私は思います。幸せとは、地位や富などではない、五体満足ということでもない、心の在り方だと思うのです。苦労を苦労と思うと苦労になります。
全て自分を成長させるためと考えて、例え今が辛くても、何年後かにはあんなこともあったね、って普通に話せる日がきっと来るから。泣いても一日、笑っても一日。一度しかない今だから、ひとつでもいいこと探して、毎日笑って過ごしましょう。
◆乗馬クラブ「カウボーイアップランチ」◆
うちの乗馬クラブの名前「カウボーイアップランチ」です。
初心者でも安心して乗れます。
3歳以上からOK!引き馬800円/初心者体験乗馬(30分)2500円です。
5回コースもあり(10000円)
小中高生を対象にした乗馬合宿もあり。
詳しくは、お問い合わせ下さい。
269号線を田野方面へ。西濃運輸より500m先にある急カーブを左折。わかりづらい山道ですが、下っていくと牧場があります。
作業療法士は、みんなのQOLを知りたい!
生活・人生・生命をいきいきと輝かしいものにすること、それはすなわち“自分らしく生きる”ことなのだと思います。
しかし不運な事故や病気によって“自分らしさ”を発揮できない方もいます。我々作業療法士は、そのような方々へ、“自分らしさ”をもう一度感じていただくための支援を行います。それは失った機能を少しでも取り戻すための支援かもしれませんし、新しい自分らしさを共に考え、見つけることかもしれません。ですから作業療法士は、十人十色の“自分らしさ”を発見、尊重することが大切なのです。
固定リンク | 2009年11月28日【5】
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