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私の生きがい Quality of life
作業療法士は、みんなのQOLを知りたい!
QOL(Quality Of Life)は人生の質、生活の質、生命の質と訳されます。生活、人生、生命をいきいき輝かせるためには、‘自分らしく生きる’ことが必要です。
しかし不運な事故や病気によって‘自分らしさ’を発揮できない方もいます。我々作業療法士は、そのような方々へ‘自分らしさ’をもう一度感じていただくための支援を行います。ですから作業療法士は、十人十色の‘自分らしさ’を発見、尊重することが大切なのです。
このページでは、エネルギッシュにQOLを輝かせている方を紹介しています。
あなたのQOLってなんですか?
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筆アーティスト 原口典子さん
今回の主人公は原口典子さんです。リハビリを継続しながら、個展の開催に向けて創作活動に励んでおられます。芸術作品は、時にその作者の人生とともに紹介されることがあります。それは芸術作品は、単なる美しいものではなく、作者の思いや人生をも吸収し完成するものだからかもしれません。原口作品を直接手にすると、やはり作者の思いや人生を存分に吸収し完成したものなのだということを強く感じることができます。
私は13歳の時リウマチを発病しました。現在、重度障害者となり電動車椅子の使用と母の介護を受けて生活しています。
長い間半引きこもりのような生活をしているうち、ずっとこのままではダメになる。「変わりたい」という思いでいっぱいになった時期がありました。ハンディがあっても輝いて生きている人が沢山いる。自分もそちら側の人になりたいと強く思うようになったのです。自分にも出来ること、何か夢中になれるものを見つけたくて模索している頃、偶然テレビで筋ジストロフィーの女性が押し花を製作しているのを観ました。ほとんど無い筋力で人の手を借りながら作品を作り上げていく彼女の姿がとてもイキイキして輝いて見え、衝撃を受けたのを覚えています。それまでの私は、全部自分で出来なければする資格がない。迷惑をかけるだけだと考えていました。だから自分には出来る事が何もないのだと思いつめていたのです。でも彼女の姿を見て、私の中の何かが変わり始めました。私もやりたい事をはじめよう。人にどう思われるかなんて気にしない。そう前向きに考えられるようになったのです。
水彩画には前から興味がありましたが、自分で絵具を出す事さえ出来ません。始めるにあたって母に準備を手伝ってほしいとお願いすると、笑顔で引き受けてくれました。父は作業机を手作りしてくれました。私を理解し協力してくれる家族に感謝でいっぱいです。
手指の変形が酷くて絵筆を落とす事もありますが、筆にクリップを付けて持ちやすく工夫しました。絵具の明るい色を見ていると精神が安定し元気になってくるから不思議です。
その後、HPを作って作品を載せたことで友達がたくさん出来ました。水彩画を始めて、私の中の世界がグーンと広がったのを感じます。
そんな中、訪問リハビリの先生にOTジャーナル表紙の公募がある事を教えてもらい応募したところ採用され、4月号の表紙にして頂きました。これは私にとって大きな自信に繋がったと思います。HPで見てもらう事とまた違った喜びや感動を知り、もっと沢山の人に見てもらえるように頑張ろうという気持になりました。
けしてウマイ絵ではないけれど見る人に何かを感じてもらえたら嬉しい。どんな状態にあっても明るく生きることが出来ると知ってほしいです。同じ夢を持った方との交流もしたいですね。夢は膨らむばかり。無くした物を嘆き悲しんだ日々も長くありましたが、今は残された機能で工夫すれば出来る事も増えました。今の私が在るのは支えてくれる家族と周りの人のお陰だと心から感謝しています。
病気とハンディと水彩画は私に挑戦していく勇気と学びを与えてくれました。これからも前を向いて生きていきたいと思っています。
いつか作品展をしたいという夢があります。協力してくれる方募集してます。
ホームページ「三つ葉のクローバー」http://www1.btvm.ne.jp/~clover/のメールフォームよりお問い合わせください。
原口典子さん担当作業療法士として
作業療法士 津曲優子さん
私から見た原口さんは,一言でいうとチャーミングな方です.何事に対しても一生懸命,まっすぐ,ポジティブ,謙虚で優しいという印象です.少し心配性ではありますが,とても強い方です.もともとこんな方なのかな?と思わせるくらいお元気ですが,リウマチという診断を受けてから,いろいろな思いや葛藤を乗り越えて,今の原口さんができあがったのだと思います.現在では,ご自分のホームページを開設したり,それを通じて知り合った方が遠方から訪ねてこられることもあったりと社会参加も活発にされています.
原口さんのお母さまもパワフルな方で,関西弁がさらにそのパワフルさを引き立たせます.原口さんのホームページにも紹介されていますが,原口さんが着脱しやすい介護服,作業しやすいテーブルなど数々のアイデア作品を作られており,創作意欲に溢れています.(お母さまの様々な知恵は,作業療法士として勉強になることが多いです!)創作活動が好きなことといい,行動派なところといい,原口さんとお母さまはどこか同じ雰囲気があり,母と子の絆の強さを感じずにはいられません.
原口さんのバイタリティーに触れると,私のほうが逆に元気をいただきます.毎日仕事をしていると,正直なところ,今日はなんだかきついなぁと思う日もあるのですが,原口さんの家を訪問し,帰るころにはずいぶん元気になっているから不思議です.普段は,手足のストレッチや筋力トレーニングを中心に行っているのですが,私も原口さんの創作活動の役に立ちたいと思い,一緒に絵の材料となる写真を撮りに行く計画を立てています.
私は,原口さんと接することで色々な事を吸収させていただいています.作業療法士としてこれからもっと成長して,原口さんに何かお返しができればいいなと考えています.
固定リンク | 2011年06月25日【9】
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