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私の生きがい Quality of life

作業療法士は、みんなのQOLを知りたい!

QOL(Quality Of Life)は人生の質、生活の質、生命の質と訳されます。生活、人生、生命をいきいき輝かせるためには、‘自分らしく生きる’ことが必要です。

しかし不運な事故や病気によって‘自分らしさ’を発揮できない方もいます。我々作業療法士は、そのような方々へ‘自分らしさ’をもう一度感じていただくための支援を行います。ですから作業療法士は、十人十色の‘自分らしさ’を発見、尊重することが大切なのです。

このページでは、エネルギッシュにQOLを輝かせている方を紹介しています。

あなたのQOLってなんですか?

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宮崎県医師会JMAT災害医療チームメンバー 作業療法士 中田富久さん(潤和会記念病院)

東日本大震災災害医療チームに参加して

東日本大震災の復興支援のため、宮崎県JMAT災害医療チームの一員として、宮城県七ヶ浜町の避難所に行かせていただきました。私たちのチームは、医師1名・看護師2名・理学療法士1名・作業療法士1名の計5名で現地入りしました。先発チームからリハビリの必要性が高い方々が多いとの情報を得ていたため、私たちのチーム派遣からリハビリスタッフが2名に増員されていました。宮崎空港から大阪を経由し仙台空港へ到着しました。空港から外に出ると目に入ってきたのは辺り一面茶色の風景でした。被災地の惨状はマスコミで報じられている以上で、私の想像をはるかに超えるものでした。避難所は七ヶ浜にある山の中腹に位置し、比較的被害が少なかった地域でしたが、約400人の方々が避難していました。

今回派遣された時は、震災発生から約1カ月半が経っており、避難所での最低限の生活は確立されている状況でした。ですが避難所の衛生環境はとても良いとは言えない状況でした。また、一人に割り当てられた生活スペースは畳1畳ほどで、段ボール等で簡易的に仕切られているものの、隣で寝泊まり生活をしている人は全く見知らぬ人というプライバシーを保つことができない環境でした。この様な環境下でのストレスは図り知れないものだと思います。私たちは、これ以上ストレスを抱えてもらいたくない、少しでも辛い思いを軽くして頂きたいとの思いから、「もうこれ以上頑張らないで!その分私たちが出来ることは全力で頑張りますから」と心の中で思いながら日々の活動に取り組みました。ですが自分がやっていることは正しいのか?もっと他にも出来ることがあるのではないかと常に自問自答するばかりでした

そのような自問自答を繰り返しながらも、先発チームが行ってきた活動の引き継ぎを受け、それを元にリハビリが必要な方々(10人弱)に介入していきました。しかし避難所という限られた居住空間では、活動範囲が制限されるため生活不活動病を起こしている方もいるのではないかと思い、避難されている一人一人に声をかけ体調を伺うという活動を試みました。この活動によって新たにリハビリが必要と思われる方を見つけることができました。それだけでなく「ちょっと咳がでる」や「熱っぽい」といった感冒症状を訴えられる方や、吐き気・めまいを訴え明らかに自身では診察室に行くことが困難と思われる方を見つけることもできました。この活動をきっかけに、診察を促したり、医師に診察を依頼したりといった対処を行いました。避難されている方の状態把握・症状の悪化予防・感染症の蔓延予防が行えたのではないかと思います。また避難所内の見取り図を作成し、リハビリが必要な方々の所在をすぐに確認できるようにしまいした。このような小さな取り組みが後続チームでも行われ、その後避難所の一か所にリハビリ室も設けられ、他の人の目を気にすることなくリハビリが受けることのできる環境が整ったとのことでした。今回は3月17日から6月4日まで計19チームが現地に派遣されました。1つのチーム1人の力は決して大きなものではありませんが、その力が集結したからこそ出せた結果なのだと思います。先発チームが築いたシステムを改善し、後続チームにさらなる改善を託すという流れが今でも避難所では続いているのだろうと思います。

2011年6月25日、宮崎JMATの報告・慰労会が行われました。災害派遣地から開業医の先生が来られ、現在は仮設住宅も完成し、避難所の皆様も新しい生活を送られているとのことを知りました。また七ヶ浜町の健康促進課の方から「宮崎の皆さんのおかげで避難所では安心して生活をすることができました」との言葉を頂き、私たちの活動が少しでも力になったのだと感じました。しかしまだまだ本格的な復興には時間を要すると思います。私が活動していた時も、ゴミの中にアルコール類の空き缶を多く見かけました。先行きの見えない状況下で希望を失っている人がたくさんいるのだと思います。今後はそのような方々の精神面のケアが必ず必要になってきます。その時は、また作業療法士として尽力すべき場面も増えてくるのではないかと思っています。

時間の経過によって人の関心・意識は徐々に薄れていくものです。一人一人が少しでも長く被災地を思い、関心を持ち続けることが復興の力になるのだと思います。私は、派遣された時に見た避難所周辺の満開の桜を忘れることができません。毎年桜が咲く時期には、被災地を思い、復興支援への決意を新たにしようと思っています。

固定リンク | 2012年01月03日【10】

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