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私の生きがい Quality of life
作業療法士は、みんなのQOLを知りたい!
QOL(Quality Of Life)は人生の質、生活の質、生命の質と訳されます。生活、人生、生命をいきいき輝かせるためには、‘自分らしく生きる’ことが必要です。
しかし不運な事故や病気によって‘自分らしさ’を発揮できない方もいます。我々作業療法士は、そのような方々へ‘自分らしさ’をもう一度感じていただくための支援を行います。ですから作業療法士は、十人十色の‘自分らしさ’を発見、尊重することが大切なのです。
このページでは、エネルギッシュにQOLを輝かせている方を紹介しています。
あなたのQOLってなんですか?
『ありがとう』この言葉を今までで一番使ったのが、ベトナムでの2年間でした。 保育士 河津朋子さん
今回は幼稚園教諭として日本国内だけでなく、ベトナムでも活躍されている河津朋子さんを紹介します。青年海外協力隊としてベトナム北部に赴任、現地の人々との係わりを通じて、本当のボランティアの意味に気付いた経験を語っていただきました。
略 歴
河津 朋子 1977生まれ
宮崎市出身
短大卒業後、市内の幼稚園に就職。青年海外協力隊に参加。ベトナムに幼稚園教諭として派遣される。
私はJICAの青年海外協力隊として、ベトナム北部タインホア省の農村にある幼稚園に派遣され活動をしていました。
高校生の時に『海外で暮らしてみたい!』という好奇心から知った青年海外協力隊。
それから月日が経ち幼稚園教諭の仕事も分かり始めた頃に再び協力隊に出会い、自分の今までやってきた職業を活かして、発展途上国の人たちに知識や技術を伝えて、国の発展のためのお手伝いができるということが分かり、私の『何かやってみたい』『自分の力を試してみたい』という気持ちに拍車がかかるまでに時間は掛かりませんでした。
意気揚々と派遣された私を待ち受けていたものは『言葉』という壁。
派遣される前にも訓練をしていきましたが、任地された幼稚園の先生には私のベトナム語がまったく通じません。
声調が6つもあるベトナム語、同じ文字で6つの意味を持つ言葉があるため、発音が悪い私は『何言ってるのか分からない』と言われてしまうことが多々ありましたが、そんな私の言葉に付き合い、何回も尋ね一生懸命に耳を傾けてくれる子どもたちや先生たちには本当に助けてもらいました。
長い時間一緒にいると気持ちが通じるのでしょうね。『朋子、〜がしたいの?』『〜って言いたいんじゃない?』と私の気持ちを察して尋ねてくれたり、ベトナム語の話し方をアドバイスしてくれたり・・・そんな優しさが伝わってくるたびに私は嬉しくて『カムオン!(ありがとう!)』とお礼を言いましたね。
子どもたちはほんとに出会った時から無邪気な笑顔で近寄ってきて、言葉も要らないくらい自然と仲良くなっていくことができました。
そして、とびきりの笑顔でパワーをくれました。
先生たちとは初めから打解けていたというわけではありません。
私は協力隊として任地に来た時、『この国のために何かを教え、残してあげたい』とものすごくやる気に燃えていてそう思っていました。ベトナムの幼稚園の指導の方法や考え方に対して、『これじゃ子どもたちの個性が伸びなくてかわいそう』『もっと〜したらいいのに』など思ったものです。
しかし、生活習慣も食べる物も、生きてきた環境も違う人たちが今までしてきたことに対して、自分の考えや体験してきたことだけを正しいと思って押し付けるのは、今から考えるとすごく生意気で失礼なことだったでしょうね。
子どもたちと先生たちのやりとりを見ていて自分の傲慢さに気付いた私は、それから先生たちと同じようなやり方で子どもたちに接したり、教えたりしてベトナム式で仕事をしていくようにしました。
そうすると、なぜ先生たちがそのようにしていたのかが分かるようになりました。同じように仕事をし、同じものを食べ、同じものを見て笑い、泣き、喜び・・・と一緒の時を過ごしていくうちに、お互いのことが分かるようになったのでしょうね。
そうして自然と先生たちと打解けてきて、先生たちの方から『日本の歌を教えて!』『これはどうやってしたの?』など話しかけてきてくれる事も増えてきて一緒に子どもたちに体操を教えたり、絵の描き方を指導したりと日本のやり方もベトナムで出来るように工夫しながら互いに協力しあいながら仕事をしていくことができるようになりました。
『ボランティア』というと『誰かのために何かをしてあげたい』ということだろうという考えが私にはありましたが、ベトナムに行ってからそうではなくて、『ボランティア』とは人のためと思ってしたことが実は自分のためだったのではないかと思うようになりました。
気付けば助けている人に助けてもらっている自分がいるのです。
私は本当にたくさんの人と出会い、たくさんの人の笑顔や言葉に助けてもらい、支えてもらいました。
たくさんのベトナムの人たちや子どもたちとの出会いは私にとってかけがえのない大事な思い出となり、自分自身を見つめ直し、自分を磨く素敵な時間になったなと2年経った今でも思います。
2008年11月25日【2】
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