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作業療法士の力
現場の作業療法士がどんな場面で「力」を発揮しているのか。ぜひご覧ください。
「作業療法士の力」の源 宮崎大学付属病院 黒木美妃さん
「これ、ガソリンスタンドで貰ったの。ぜひ植えて下さい。」
リハビリに来た患者さんのご家族からいただいたのは、掌に乗るほど小さな袋。
何かと思えば、かすみ草の種でした。
ピロティーで園芸を始め、花の成長に一喜一憂していた昨年夏、私達を気遣ってご家族が配慮して下さったのでした。
当時、その方のご家族は重い障害を抱えており、ご家族の苦労も並大抵ではなかったでしょう。それでも笑顔で種を渡してくれたご家族の心遣いに感謝し、患者さんの回復を祈る気持ちで種を植えたのでした。
吹けば飛ぶような小さな種。
でもその種は、夏の暑さにも冬の寒さにも負けず、懸命に生きていました。
やがて芽を出し、葉を広げ、ついには花を開かせたのです。
この種達がどのような思いで成長してきたかは分かりません。
でも、生きるためにコツコツと努力をすれば、どんなに小さな種だってきっと花開く。リハビリも同じかもしれません。
辛い時だって苦しい時だってある。でも、ほんの少しでも生きるための努力を続ければ、その努力はきっと報われる。
かすみ草から、リハビリの、そして生きることの大切さを教えてもらったような気がします。
【かすみ草の花言葉】
清い心・親切・切なる喜び・無邪気・深い思いやり
2008年07月14日【10】
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