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作業療法士ファイル

同じ作業療法士でも、作業療法士になろうと思ったきっかけや職業感、興味を持っていることは様々。作業療法士の生の声を感じてください。

最近の記事

作業療法file 004 介護老人保健施設 神楽苑 江口 奈央さん(宮崎日大高校出身)

 私は、宮崎県高千穂町にある介護老人保健施設神楽苑というところで作業療法士をしています。テレビなどでよく取り上げられる「高千穂町」なので、皆さんもご存知かと思いますが、とにかく山、山、山…の地域です。したがって交通の便が悪かったり、買い物に困ることもあります。しかし裏を返せば、穏やかな時間の流れと地域の方々の親切さがセールスポイントなのです。また「がまだせ(=一生懸命働く)節」という踊りがあるくらい働き者が多く、牛養い(肉牛の飼育)や田んぼ、畑仕事が主流の地域です。

1.作業療法士をめざすきっかけ
 「作業療法士って何?…リハビリ?…ふうーん。なんか、よさそうかも」という曖昧な動機で作業療法の大学に入学しました。入学して1ヶ月、「キャンパスライフ」とやらを楽しみにしていましたが、怒涛のような講義に、こんな曖昧な動機でめざす職業ではないことにすぐに気づかされました。そして大学の先生方の熱心な指導の下、大学3年のときに、ようやく本気で作業療法士を目指すようになりました。就職して、学生のときにもっと真剣に勉強しておけばよかったという後悔をしたからこそ、日々勉強に励む大切さを強く感じています。

2.作業療法のお仕事
 「作業療法士」というと、患者さんに「先生」と呼ばれる事もある(病院、施設によって違います)職業なのですが、実際、「先生」と呼ばれると、その責任に押しつぶされそうなときがあります。「果たして、先生と呼ばれるだけの仕事ができているのか?」と自問自答の毎日です。しかし、楽しいこともあります。利用者さんと一緒に笑ったり、泣いたり、利用者さんに学ばせていただいたり、私自身、作業療法の時間を楽しんでいるように思います。私が作業療法で対象としている方は、ほとんどが認知症の方で、うまくお話ができなかったり、常に不安を抱いている方々です。しかし、作業を介することで、言葉では言い表せない「通じ合った感覚」を経験します。この瞬間、作業療法士でよかったと実感します。
 また、作業療法の仕事は、現場の仕事だけではありません。私の施設では、地域の方々との交流を積極的に行っています。したがって、頻繁に小学校・中学校・高校の学生さんたちが、体験実習や見学などで来苑されます。そのような学生さんに「作業療法士」という仕事を紹介することも私の仕事です。作業療法を言葉で説明しようとすると、どうしても教科書的な難しい文句になってしまいがちなので、実際に、利用者さんと一緒に作業を行ってもらい、そのときの楽しさ・難しさなどの「感覚」を体験してもらっています。
 実際に見て・感じて、そして「作業療法士を目指したい!」と思ってもらえるよう、私も日々頑張っていきたいと思います。

固定リンク | 2008年11月25日【5】

作業療法file003 〜宮崎江南病院 前田文子さん

宮崎江南病院 前田文子さん(日南高等学校出身)

私が勤める病院は、事故や病気などで、体に障害をもった患者さんが入院されています。患者さんは当たり前に出来ていた事が容易にできなくなり、今まで通りの生活を送る事が困難になります。作業療法では、患者さんが出来る限り以前の生活に近づけるように食事・着替え・トイレ・入浴の訓練や、掃除・洗濯などの家事動作の訓練を行います。時には患者さん専用の道具作成し、その方の生活を支援します。また、患者さんは子供から高齢者、働き盛りの方まで様々ですので、退院後の生活も学校、職場、自宅等、様々です。作業療法ではその方の生活に合わせた治療を考えて行く必要があります。少しずつ少しずつ患者さん自身でできることが増え、新たな生活・自分らしさを築きあげていく支援を行っていくことが、私の作業療法であると思っています。

☆作業療法の醍醐味
 作業療法は患者さんが「自分らしさ」を取り戻す過程に関われることが一番の魅力であると思います。患者さんから「〜ができた」と言われた時など、この仕事やってよかったと心からそう思います。その時の患者さんの笑顔にとても元気をもらいます。作業活動を通し、患者さんが元気になっていく姿をみると「作業ってすごい!」と感動します。また、障害をもったことであきらめや失意の中にいた人たちが、時間はかかっても、再びその人らしい生き方を見つけ立ち上がっていく姿に出会うことがあります。そんな時、心から「作業療法士になってよかった」と思います。だからこそ、この仕事はやめられないのです。

☆作業療法奮闘記
 私は、人と接することや手作業を行うことが好きです。そしてなにより人の役に立ちたいという思いでこの仕事を選びました。しかし、実際に訓練に作業を使うことは単純なことではなく、病気を理解し、その病態にあった作業をしっかりと考えないといけません。そのためには常に自己研鑽していく事が大切です。患者さんの入院前の生活を想像し、どうすればできるようになるのかと考え悩む事もあります。また、どのように患者さんに向き合っていけば良いかと悩む事もあります。作業療法士として患者さんに何が出来るのかを一番に考えながら日々奮闘中です!!

☆最後に・・・
「自立」と「自律」について(広辞苑第5版より)
●自立とは・・・他の援助や支配を受けず自分の力で身を立てること。ひとり立ち。
●自律とは・・・自分で自分の行為を規制すること。
外部からの制御を脱して自身の立てた規範に従って行動すること。
 作業療法では「自立」と同じくらい「自律」を重視します。全てひとり立ちする必要はないと思います。普通の人でも色々な人に支えられています。人は周りの人から支えられて生きているのですから。出来ない事を相手に伝え、援助を求め、助けてもらい実行できれば「自律」です。ある資源を有効に使い、「自律」を目指すのも作業療法の目的の一つではないでしょうか。



固定リンク | 2008年06月23日【4】

作業療法士file002 〜さくら苑 西哲史さん〜

■きっかけは〜

私がリハビリという言葉を知ったのは中学生の時でしたが、初めて作業療法士に出会ったのは高校3年生の時でした。
知人に勧められ、ある小児の施設に見学に行き、それまでイメージしていたリハビリとは違う作業療法を知りました。それは手足を動かすことだけでなく、様々な器具や手作りの道具などを活用し子供さんを楽しませながら、リハビリを行うというものでした。それ以降、作業療法士という職種に魅力を感じるようになりました。

■これぞ作業療法!

私は長期実習中に忘れることのできない体験をしました。

ある施設で、精神的な理由から拒食となり食事を一切食べられず、胃瘻という胃に直接栄養を送り込む方法で栄養補給をされておられる入所者の方を担当させていただきました。
90歳代の女性でしたが、徐々に弱っていく自分の体のことや家族のことで悩み、不安感や孤独感が強くなり、全く食事を摂取されずに最終的に胃瘻となってしまいました。

実習生であった私は他のスタッフの方に比べ時間に余裕があったため、ベッド上での生活が多くなっていたこの方に対し積極的な関わりを持つことを心がけました。
当時は食事に対し全く興味を示されないため、直接食事動作へ対応することはしませんでした。寝たり起きたり・立ったり座ったりする練習や車いすに移ったり、車いすを駆動したりという動作の練習を行いながら、空いた時間はコミュニケーションを図りできる限り笑顔を引き出そうとしたり、とにかく楽しい時間を提供できるように多くの時間を過ごしました。

そのうち日常の会話の中で笑顔が多くなり、明るい自分を徐々に取り戻されつつありました。実習期間も残りわずかとなったある日、ご本人自身で食事を摂られるようになりました。
現在では完全に箸で食事を摂る事ができるようになり、胃の穴も塞がり昔からは想像できない活動的な生活を送られておられます。

もちろん、私一人でなく他職種の方々の協力もあったのですが、この方に生きる喜びをもう一度持っていただけたことは、私にとって大変心に残る貴重な経験となりました。まだ、作業療法士一年生ですが、患者様へのご迷惑とならないよう早く、“良い作業療法”が提供できるよう努力していきたいと思います。


■臨床実習の厳しさ

作業療法士になるためには学生時代に色々な施設に実習に行きます。
私は3年制の学校でしたが、1・2年生時の勉強を怠ってしまっていたため、臨床実習では大変苦労し先生方や患者様へご迷惑ばかり掛けていました。

2年生の最後に評価実習を(2週間×2施設)させていただいたのですが、作業療法士になりたいという気持ちや実習生に必要な知識が足りないと指摘していただきました。さらに3年生の長期実習(8週間×3施設)では、自分の甘さや未熟さを痛感し、社会の厳しさも知り、諦めようと思ったこともありました。その時の私の支えになったのが、対象者の方の笑顔や言葉かけ、先生方の患者様へ熱心に作業療法を提供する姿でした。
いつの間にか実習が楽しくなり、最終日には思わず涙を流しました。

固定リンク | 2008年06月18日【2】

作業療法士file001 〜潤和会記念病院 都甲 宗典さん〜

■略歴
H10年 宮崎南高校卒業
H11年 熊本リハビリテーション学院入学
H14年 医療法人社団寿量会 熊本機能病院勤務
H19年 財団法人潤和リハビリテーション振興財団
潤和会記念病院勤務

私が作業療法士を志したのは、弟の存在が非常に大きいです。

おそらく弟の存在がなければ作業療法士という名前も職業も知らなかったと思います。年が5つ離れた私の弟は重度心身障害者です。私は物心ついたときには、弟のリハビリを見学するため、療育センターに行っていました。そのため、幼いころから作業療法という職業をなんとなくは知っていました。

高校卒業して大学進学に失敗した私は、1年間フリーターをしながら、時間があるときは施設のボランティアを行い、自分自身を見つめなおし、本当に自分がやりたいことは何なのかを探していました。
いろいろな人との出会いやふれあいによって「人の役に立つ仕事がしたい」、「人に喜ばれることがしたい」「困っている人に自分が何かできるものはないか」と強く思うようになっていきました。元々、心理的なことに興味があり、体を動かすことや物作りが好きだった私は、幼いころから知っていた作業療法士になれば家族も弟も喜んでくれて、家族や他の人の役にも立てるのではないかと思い作業療法士になることを決意しました。

早いもので作業療法士になって今年で6年目になります。ミーハーな私は何でも興味を持ちます。最近一番興味を持っていることは福祉用具や自助具です。使用することで、患者さんの生活自体が自立したり、楽になったりと大変重要なものです。
特に自助具作成に関しては自分のなかで、「いかに安価で耐久性があり、使いやすいものを作成できるか」を目標にしています。

たとえば、100円ショップに行った際、「これはあの患者さんに使えるかもしれない」とブラシと吸盤と結束バンドを使用して片手で義歯を洗える自助具を作成したり、虫捕りの網を切り取り、針金を切断して加工して取手が伸縮性のあるリーチャーを作成したりもしています。

また、以前勤務していた病院でスプリント(手足の形を整えたり、動作の手助けをしたり、時には訓練用として作製する装具など)を作製していたこともあり、熱可塑性のプラスティックを使用した自助具の作製も行っています。作製の際は、患者さんの病棟での生活を見た際にこういうものがあったら便利だろうなあとか、看護師からこういうものがあればいいのになあという意見をもらうことが多いです。

いずれの場合もまずは患者さんの生活をしっかりと観察、評価した上で、スプリント素材の特性や性質を活かして作製することが望ましいと思います。何度も失敗はしますが、患者さんにとってより使い易いものが出来上がる楽しさがあります。そのためには柔軟でクリエイティブな発想が大事です。リハビリテーションに関する知識はもちろんですが、それ以外の一般常識や情報も知っておいた方がひらめきや発想のいいヒントになるのではないかと思います。

最近、日頃の多忙な業務を理由にしてどこか患者さんの生活や本質を見過ごしているのではないかと感じることがあります。

もっと作業療法士としてできることはないか? 患者さんが必要としているものが他にないか? ということを貪欲に考えてクリエイティブで多角的な視点からアプローチできる作業療法士を目指していきたいです。




〜自助具への熱き思い〜
★義歯洗浄自助具
価格約150円。材料は全て100円ショップで購入しました。吸盤で洗面所にブラシをくっつけて片手で義歯の洗浄が出来るように工夫してみました。吸盤とブラシは結束バンドで固定しています。
★リーチャー  
手で届かないものをひっかけてとる時などに使います。価格100円。これも100円ショップで購入した虫捕り網を改良したものです。網を切り取り、針金をカットして作成。伸縮可能で最長180儖未泙膿びます。

固定リンク | 2008年06月17日【1】

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