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作業療法士ファイル

同じ作業療法士でも、作業療法士になろうと思ったきっかけや職業感、興味を持っていることは様々。作業療法士の生の声を感じてください。

最近の記事

作業療法士ファイル.006 宮崎市総合発達支援センター「あおぞら」松元寛さん

1.宮崎市総合発達支援センターでは… 自閉症・アスペルガー症候群・ADHDなど、コミュニケーションや行動面での問題を抱える子ども達を中心に、作業療法を行っています。
 自閉症・アスペルガー症候群・ADHDなどの診断を受けたお子さんは、揺れや体の動きを感じること、コミュニケーションをとること、気持ちをコントロールすること、などが脳の障害のため難しい場合があります。
 トランポリンなどの遊具を使って自分の体の使い方を学んだり、順番を守るなど、友達と仲良く遊ぶにはどうしたらいいかを学習したりします(写真・)。また、雑音や見えたものが気になって、目の前の課題に集中することが難しいお子さんには、集中できる環境を整える工夫も行います(写真・)。活動内容や時間の見通しをつけてもらうことで、安心して活動に取り組めるようにもなります(写真・)。
 このように、作業療法士は1人1人のお子さんの特徴を理解し、保護者や先生などと協力しながら、お子さんが障害をもちながらも、より楽しく自分らしく成長していくお手伝いをしています。


2.こんな所で…トランポリンやボールプールなど、様々な感覚を楽しむ遊具や、トンネルや梯子など、設定に合わせて、考えながら体を動かす遊具まで、いろんな遊具を組み合わせて使います。(写真・)
書字や工作、手指を使った遊びなど、机に座って様々な活動を行います。目の前の課題に集中できるよう、環境を工夫します。 (写真・)


3.こんなことを…

●予定の確認
訓練の始めから終わりまでの予定を確認して、活動内容や時間の見通しをつけてもらいます。(写真・)

●コミュニケーション
「自分の意思を相手に伝える」という、コミュニケーションの基礎を練習しています。

●ワーク
大人が手助けしなくても、子どもが自分自身で課題を達成することができるような課題を考えます。

●運動遊び
子どもの興味や能力に合わせて、遊具の設定や遊びの内容を変えていきます。


4.こんな魅力が…子ども達はもちろん、保護者(お父さん・お母さんなど)の方の笑顔が見られたり、嬉しい体験を共有できたりする瞬間、自分も嬉しく、「よかった!」と思えます。


主な対象疾患

●自閉症専門の医師の検査で、だいたい次の3つの特徴が3歳くらいまでに確認されると、「自閉症」と診断されます。
・人と上手につきあえない
・コミュニケーションがうまくとれない・言葉の発達が遅れる
・想像力がとぼしい・こだわりがある

●アスペルガー症候群アスペルガー症候群は、自閉症の中でも、知的な遅れが目立たないタイプです。
具体的には、次のような特徴が見られます。
・適切に言葉を使ったり、受け取ることが難しい
・こだわりが強い
・相手の気持ちを感じ取ったり、自分の気持ちをうまく伝えることが難しい

●ADHD自分をコントロールする力が弱く、それが行動面の問題となって現れる障害です。具体的には、次の3つの特徴が見られます。
・注意欠陥(注意力・集中力に欠けること)
・多動性(じっとしてられない・しゃべりすぎる)
・衝動性(だしぬけに何かをしてしまうこと)


5.人とのつながりを大切に…私が高校生だった頃は、『学校の先生になる』という夢を持っていました。しかし、その夢は実現せず、別の仕事をすることになりました。仕事をしながらも、心の中のどこかに『子ども達と関われる仕事がしたい』、という夢が残っていたのだと思います。そんなとき、子ども達の支援をしている作業療法士との出会いがありました。仕事の内容などを聞く中で、『これだ!』と思いました。残っていた夢への情熱が沸き上がってきたのです。勤めていた仕事を辞め、専門学校に入学しました。そしてまた、様々な人との出会いやつながりを通して、今こうして子ども達と関われる場所で、働くことができています。
 人との出会いやつながりが、人生を変えるキッカケになることもあります。また、自分自身を振り返ったり、学ぶこともたくさんあります。これからも、仕事の上でもプライベートでも、人との出会いやつながりを大切にしていきたいと思います

固定リンク | 2009年11月27日【7】

作業療法士ファイル.005 医療法人隆徳会 鶴田病院 宮本 光さん

 私は、西都市中心部にある身体障害領域の鶴田病院で作業療法士として働いています。私自身、働くまで西都市の事をほとんど知りませんでしたが、入院患者さんや病院スタッフに名所や美味しい食べ物など色々と教えてもらい、少しずつその魅力に気付いてきたところです。比較的温暖な気候で自然が多い地域のため農業を営む方も多く、リハビリテーションの対象となるのも高齢者が多くなっています。


1.作業療法との出会いや学校生活
 私の高校3年間は、授業・部活・休日の遊びという生活の繰り返しで「将来の夢」などは考えもしていませんでした。OTを目指したのは、進路に悩んでいた時期、様々な専門学校の集まる進学相談会に参加したのがきっかけでした。その中で、「身体も“こころも”リハビリする仕事」というフレーズに魅かれ、普通科高校出身者が多い中、宮崎工業高校から専門学校に入学しました。その事もあり、3年間の勉強は負けん気だけでやってきた気がします。ボランティアにも積極的に参加しました。また、毎年の臨床実習も素晴らしい指導者の先生方と出会い、乗り越えることができました。このような勉強や実習はもちろん、専門学校ならではの社会人経験者が多い環境での学校生活も、私を人間的に成長させてくれたのだと強く感じています。



2.“身体”も“こころ”も療法できる作業療法
 ある患者さんとの出会いが、私の作業療法観の源となりました。その方は、私が担当した時は寝たきりに近く、声かけに対し表情の変化もなく無反応で記憶も曖昧な状態でした。働き始めたばかりで何をすればいいか分からず悩んでいましたが、毎日お部屋へ伺い手を握りながら話しかけ、運動中に「1・2・3・4!!」と声を出して数えてもらい、晴れた日には散歩に行くなどして関わっていきました。そうしてしばらく経つと、次第に私に笑顔で声をかけてくれるようになり、意欲的に立つ・歯を磨くなどの練習ができるようになりました。この時、身体だけでなく“こころ”も動いたのだと感じました。現在も私が顔を出すと「光ちゃんじゃがね?」と笑顔で迎えてくれます。
 この体験もあり、私は3つの将来的な目標を立てました。それは「身体も精神(こころ)も療法出来る」、「自分と周り全ての環境を利用できる」、「精神(こころ)を動かすことができる」作業療法士になることです。どれも当たり前なことのようですが、身体障害領域で働く私自身、身体だけでなくこころを動かす重要性を体験を通して実感したからです。
 私はこれまで、様々な出会いの中で成長させてもらったのだと思います。まだまだ未熟な作業療法士1年生ですが、今後も多くの出会いを大切に日々邁進していきたいと考えています。

固定リンク | 2009年04月21日【6】

作業療法file 004 介護老人保健施設 神楽苑 江口 奈央さん(宮崎日大高校出身)

 私は、宮崎県高千穂町にある介護老人保健施設神楽苑というところで作業療法士をしています。テレビなどでよく取り上げられる「高千穂町」なので、皆さんもご存知かと思いますが、とにかく山、山、山…の地域です。したがって交通の便が悪かったり、買い物に困ることもあります。しかし裏を返せば、穏やかな時間の流れと地域の方々の親切さがセールスポイントなのです。また「がまだせ(=一生懸命働く)節」という踊りがあるくらい働き者が多く、牛養い(肉牛の飼育)や田んぼ、畑仕事が主流の地域です。

1.作業療法士をめざすきっかけ
 「作業療法士って何?…リハビリ?…ふうーん。なんか、よさそうかも」という曖昧な動機で作業療法の大学に入学しました。入学して1ヶ月、「キャンパスライフ」とやらを楽しみにしていましたが、怒涛のような講義に、こんな曖昧な動機でめざす職業ではないことにすぐに気づかされました。そして大学の先生方の熱心な指導の下、大学3年のときに、ようやく本気で作業療法士を目指すようになりました。就職して、学生のときにもっと真剣に勉強しておけばよかったという後悔をしたからこそ、日々勉強に励む大切さを強く感じています。

2.作業療法のお仕事
 「作業療法士」というと、患者さんに「先生」と呼ばれる事もある(病院、施設によって違います)職業なのですが、実際、「先生」と呼ばれると、その責任に押しつぶされそうなときがあります。「果たして、先生と呼ばれるだけの仕事ができているのか?」と自問自答の毎日です。しかし、楽しいこともあります。利用者さんと一緒に笑ったり、泣いたり、利用者さんに学ばせていただいたり、私自身、作業療法の時間を楽しんでいるように思います。私が作業療法で対象としている方は、ほとんどが認知症の方で、うまくお話ができなかったり、常に不安を抱いている方々です。しかし、作業を介することで、言葉では言い表せない「通じ合った感覚」を経験します。この瞬間、作業療法士でよかったと実感します。
 また、作業療法の仕事は、現場の仕事だけではありません。私の施設では、地域の方々との交流を積極的に行っています。したがって、頻繁に小学校・中学校・高校の学生さんたちが、体験実習や見学などで来苑されます。そのような学生さんに「作業療法士」という仕事を紹介することも私の仕事です。作業療法を言葉で説明しようとすると、どうしても教科書的な難しい文句になってしまいがちなので、実際に、利用者さんと一緒に作業を行ってもらい、そのときの楽しさ・難しさなどの「感覚」を体験してもらっています。
 実際に見て・感じて、そして「作業療法士を目指したい!」と思ってもらえるよう、私も日々頑張っていきたいと思います。

固定リンク | 2008年11月25日【5】

作業療法file003 〜宮崎江南病院 前田文子さん

宮崎江南病院 前田文子さん(日南高等学校出身)

私が勤める病院は、事故や病気などで、体に障害をもった患者さんが入院されています。患者さんは当たり前に出来ていた事が容易にできなくなり、今まで通りの生活を送る事が困難になります。作業療法では、患者さんが出来る限り以前の生活に近づけるように食事・着替え・トイレ・入浴の訓練や、掃除・洗濯などの家事動作の訓練を行います。時には患者さん専用の道具作成し、その方の生活を支援します。また、患者さんは子供から高齢者、働き盛りの方まで様々ですので、退院後の生活も学校、職場、自宅等、様々です。作業療法ではその方の生活に合わせた治療を考えて行く必要があります。少しずつ少しずつ患者さん自身でできることが増え、新たな生活・自分らしさを築きあげていく支援を行っていくことが、私の作業療法であると思っています。

☆作業療法の醍醐味
 作業療法は患者さんが「自分らしさ」を取り戻す過程に関われることが一番の魅力であると思います。患者さんから「〜ができた」と言われた時など、この仕事やってよかったと心からそう思います。その時の患者さんの笑顔にとても元気をもらいます。作業活動を通し、患者さんが元気になっていく姿をみると「作業ってすごい!」と感動します。また、障害をもったことであきらめや失意の中にいた人たちが、時間はかかっても、再びその人らしい生き方を見つけ立ち上がっていく姿に出会うことがあります。そんな時、心から「作業療法士になってよかった」と思います。だからこそ、この仕事はやめられないのです。

☆作業療法奮闘記
 私は、人と接することや手作業を行うことが好きです。そしてなにより人の役に立ちたいという思いでこの仕事を選びました。しかし、実際に訓練に作業を使うことは単純なことではなく、病気を理解し、その病態にあった作業をしっかりと考えないといけません。そのためには常に自己研鑽していく事が大切です。患者さんの入院前の生活を想像し、どうすればできるようになるのかと考え悩む事もあります。また、どのように患者さんに向き合っていけば良いかと悩む事もあります。作業療法士として患者さんに何が出来るのかを一番に考えながら日々奮闘中です!!

☆最後に・・・
「自立」と「自律」について(広辞苑第5版より)
●自立とは・・・他の援助や支配を受けず自分の力で身を立てること。ひとり立ち。
●自律とは・・・自分で自分の行為を規制すること。
外部からの制御を脱して自身の立てた規範に従って行動すること。
 作業療法では「自立」と同じくらい「自律」を重視します。全てひとり立ちする必要はないと思います。普通の人でも色々な人に支えられています。人は周りの人から支えられて生きているのですから。出来ない事を相手に伝え、援助を求め、助けてもらい実行できれば「自律」です。ある資源を有効に使い、「自律」を目指すのも作業療法の目的の一つではないでしょうか。



固定リンク | 2008年06月23日【4】

作業療法士file002 〜さくら苑 西哲史さん〜

■きっかけは〜

私がリハビリという言葉を知ったのは中学生の時でしたが、初めて作業療法士に出会ったのは高校3年生の時でした。
知人に勧められ、ある小児の施設に見学に行き、それまでイメージしていたリハビリとは違う作業療法を知りました。それは手足を動かすことだけでなく、様々な器具や手作りの道具などを活用し子供さんを楽しませながら、リハビリを行うというものでした。それ以降、作業療法士という職種に魅力を感じるようになりました。

■これぞ作業療法!

私は長期実習中に忘れることのできない体験をしました。

ある施設で、精神的な理由から拒食となり食事を一切食べられず、胃瘻という胃に直接栄養を送り込む方法で栄養補給をされておられる入所者の方を担当させていただきました。
90歳代の女性でしたが、徐々に弱っていく自分の体のことや家族のことで悩み、不安感や孤独感が強くなり、全く食事を摂取されずに最終的に胃瘻となってしまいました。

実習生であった私は他のスタッフの方に比べ時間に余裕があったため、ベッド上での生活が多くなっていたこの方に対し積極的な関わりを持つことを心がけました。
当時は食事に対し全く興味を示されないため、直接食事動作へ対応することはしませんでした。寝たり起きたり・立ったり座ったりする練習や車いすに移ったり、車いすを駆動したりという動作の練習を行いながら、空いた時間はコミュニケーションを図りできる限り笑顔を引き出そうとしたり、とにかく楽しい時間を提供できるように多くの時間を過ごしました。

そのうち日常の会話の中で笑顔が多くなり、明るい自分を徐々に取り戻されつつありました。実習期間も残りわずかとなったある日、ご本人自身で食事を摂られるようになりました。
現在では完全に箸で食事を摂る事ができるようになり、胃の穴も塞がり昔からは想像できない活動的な生活を送られておられます。

もちろん、私一人でなく他職種の方々の協力もあったのですが、この方に生きる喜びをもう一度持っていただけたことは、私にとって大変心に残る貴重な経験となりました。まだ、作業療法士一年生ですが、患者様へのご迷惑とならないよう早く、“良い作業療法”が提供できるよう努力していきたいと思います。


■臨床実習の厳しさ

作業療法士になるためには学生時代に色々な施設に実習に行きます。
私は3年制の学校でしたが、1・2年生時の勉強を怠ってしまっていたため、臨床実習では大変苦労し先生方や患者様へご迷惑ばかり掛けていました。

2年生の最後に評価実習を(2週間×2施設)させていただいたのですが、作業療法士になりたいという気持ちや実習生に必要な知識が足りないと指摘していただきました。さらに3年生の長期実習(8週間×3施設)では、自分の甘さや未熟さを痛感し、社会の厳しさも知り、諦めようと思ったこともありました。その時の私の支えになったのが、対象者の方の笑顔や言葉かけ、先生方の患者様へ熱心に作業療法を提供する姿でした。
いつの間にか実習が楽しくなり、最終日には思わず涙を流しました。

固定リンク | 2008年06月18日【2】

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